座りっぱなしだと早産のリスクが高まると言われることがあります。
これは本当のことなのでしょうか。
妊婦さんやこれから出産を目指す女性には気になる部分です。
座りっぱなしと早産にはどんな関係があるのか、しっかり理解しておくことが必要です。
早産の定義について
早産とは本来の予定よりも早く出産してしまうことですが、厳密な定義はどうなっているのでしょう。
正式に早産と判断されるのは、妊娠37週未満の時に赤ちゃんが生まれてしまうことを言います。
日本国内ではさらに厳密に言うと妊娠22週から36週までの期間内に出産することを早産と呼んでいて、たとえば37週での出産なら予定日より早くても早産には該当しません。
早産だと赤ちゃんが十分に発達する前に生まれてしまうリスクがあり、赤ちゃんの命が危険にさらされるケースもあります。
やはり早産は避けるべきで、十分な期間が過ぎてから出産するのが理想です。
早産で生まれた赤ちゃんは生まれた直後から集中治療室に入り、医師による治療が行われます。
現在の医療水準では安全性も高くなっているのですが、それでも障害がのこってしまうこともあり、まずは早産にならないよう心がけることが大切です。
座りっぱなしで早産のリスクが高まる理由
早産の理由にはいくつかのことが考えられますが、座りっぱなしとの関係だけで見ると腹圧が大きなポイントになってきます。
座りっぱなしなど、長時間同じ姿勢でいると腹圧が高まりやすくなり、これが早産のリスクを高めてしまうわけです。
妊娠がわかってからもしばらくは仕事を続けるという女性も少なくありません。
そして女性は事務仕事をしていることが多く、1日中座りっぱなしということがよく見られます。
この座りっぱなしが腹圧を高め、結果的に早産を招いてしまうことがあるのです。
妊娠中遠出は控えるべきとお医者さんに言われることが多いですが、これは環境の変化による疲労やストレスに加え、移動中に同じ姿勢でい続けることも理由の1つです。
赤ちゃんにとって座りっぱなしは決して良いことではありません。
座りっぱなしの早産を防ぐには
座りっぱなしが早産のリスクを高めるわけですから、
やはり妊娠中はなるべく座りっぱなしにならないように工夫しなければなりません。
仕事を続ける場合はどうしても座る必要が出てくると思いますが、
なるべくこまめに立ち上がったりして座り続けないようにしましょう。
長期の育休を取れればそれが1番ですが、必ずしも育休を取れるとは限らないのが現状ですし、
そもそも自分の意思としてギリギリまで仕事を続けたい女性もいるでしょう。
いずれにしても腹圧が高くなりすぎないように、同じ姿勢を続けることは避けましょう。
座りっぱなしの状態は腹圧を高め、早産のリスクを生んでしまいます。
元気で健康な赤ちゃんを無事に出産するためにも、座りっぱなしと早産の関係を理解し、適切な対策を講じましょう。
同じ姿勢を続けることは普段の生活でもそうですが、特に妊娠中は良くありません。
妊娠中期~後期にかけての正しい姿勢・座り方とは?
とはいえ、妊娠中期に差し掛かるとお腹もだんだん出てきて重くなってくるので、
無意識でも座りたくなることが多くなると思います。
大きくなっていくお腹に伴って背中が反って行く傾向にありますが、
この反り身に甘んじていると腰に負担がかかり腰痛の原因になってしまいます。
お腹が大きくなって座りたくなるのは自然の摂理ですが、
座ってばかりだと背中がそって腰痛になってしまったり、
前かがみになって腹圧がかかり早産のリスクを高めてしまいます。
「妊娠中に適した正しい姿勢」で座ることを意識しなくてはいけません。
「妊婦にとっての正しい姿勢」とは、どのような点に気を付ければいいのでしょうか?
一般的な妊娠中の正しい姿勢で意識するのは、
腰ではなく『首を伸ばし、下腹部を引っ込める』ようにします。
次に、『両足は浮かせず床につけた状態で、
おしりの筋肉をキュッと引き締めて骨盤を上方に傾ける』ように意識します。
この正しい姿勢で座ることで骨盤が赤ちゃんの重さをしっかり支えることができ、
お腹の赤ちゃんの位置やお母さんの筋肉のバランスを正しく保ってくれます。
この姿勢は座っている時だけではなく、立ったり歩いたりするときにも意識するとなお良いでしょう。
腰やお腹に余計な負担を掛けずに済むので、妊娠中の方は是非この姿勢の意識を実践してみてください^^
椅子・床に座るときに気を付けたいこと
座る際はそれぞれの生活スタイルによって椅子・床にどちらに座ることが多いかが分かれるところだと思います。
前述で「妊娠中の正しい姿勢」について記述しましたが、こちらでは椅子・床に座る際に注意してほしい点を紹介します。
【椅子に座るときの注意点】
移動の際の電車やバス、車、検診時の待合室など、外出する際は圧倒的に椅子に座る機会が多いと思います。
この時に注意してほしいのは「柔らかい素材(ソファーなど)の椅子に座るとき」です。
椅子が柔らかいと心地よく感じますが、
柔らかすぎておしりが深く沈み込んでしまうと、その分お腹に圧力がかかってしまいます。
椅子に座る際はなるべく柔らかい椅子は選ばないようにするか、
他に座る場所が無い場合は深めに座ってお腹に負担がかからないように気を付けましょう。
【床・畳等に座るときの注意】
床や畳などに座る場合は、骨盤などの位置を気にして正座で座る方も多いかもしれません。
正座は骨盤と背骨が正しい位置にくるので良い姿勢ではあるのですが、
いかんせんお腹が大きくなる分普通の人と比べると足にかかる負担が大きくなってしまいます。
足がしびれて疲れやすくなったり、脚の血行が悪くなったりするのが難点です。
正座は正しい姿勢ではありますが、
知らず知らずのうちに身体の負担にならない為にも足を崩すなど、こまめに姿勢を変えてみましょう。