デイサービスを利用する介護が必要な方々は、普段の生活ではどうしても座りっぱなしになってしまうことが少なくありません。車椅子の方はもちろん、そうでない方でも1日の大半を座って過ごすことがあります。
座りっぱなしは体にとってあまり良くないので、それを回避するためのレクリエーションを提供するのも仕事の1つになるでしょう。おすすめのレクを紹介します。
座りっぱなしの弊害について
まずは長時間座りっぱなしでいることの弊害について理解しておきましょう。
介護が必要な方に限らず、人は誰でも座りっぱなしでいると健康に悪影響が考えられます。
事務職や運転手など、座り仕事の方もそうです。
座り続けることでお尻や下半身が強く圧迫されることになり、血流が悪化します。
血の巡りが悪くなれば体が冷えやすくなったり、腰痛が出たりとさまざまなトラブルが引き起こされるのです。
介護が必要な方は特に座りっぱなしによる弊害が出やすくと言え、それをなんとか解消するのもデイサービスの重要な役割になるでしょう。
そこで簡単にできるレクが役立つわけです。
レクなら楽しみながら座りっぱなしも解消できて、自然と体を動かすことにもつながっていきます。
風船を使ったテーブルゲーム
卓球をイメージしてもらうとわかりやすいのですが、テーブルの左右に立ってもらい、風船を手などで相手に向けて飛ばします。
先にテーブルから風船を落とした方が負けというルールでやれば、誰でもわかりやすくそれでいて体もしっかり動かせます。
立ってやるので座りっぱなしを避けられるのが大きなメリットです。
風船ですからふわりと飛ぶため、激しい運動は不要で高齢者の方や介護が必要な方でも参加しやすいのもメリットでしょう。
5ポイント先取した方が勝ちくらいのルールにしておけば短時間で終わり、ちょうどいい運動になります。
卓球は難しいという方にはぴったりのレクです。
風船ならすぐに手に入りますし、その意味でも手軽でデイサービスの職員の方も準備に手間がかかりません。
だるまさんがころんだ
子供の頃、誰でも1度はやったであろうだるまさんがころんだもおすすめのレクの1つです。
ルールはまさにだるまさんがころんだで、鬼に向かって歩いていき、鬼が振り返った時だけ動きを止めましょう。
歩くことで運動になりますし、誰でもやったことのある遊びなので童心に帰って楽しめます。
走ったりしないよう気を付けてやれば負担も少なく、高齢者の方にとってちょうどいい運動です。
ルールもシンプルですから難しい説明もいりません。
みんなで鬼を交互に担当してやれば全員が運動しつつ楽しめます。
子供の遊びというイメージが強いですがいざやってみると大人でも楽しめ、デイサービスの職員の方も含めてみんなで盛り上がれるおすすめのレクです。
座りっぱなしを回避するためには体を軽く動かすレクが理想的です。
激しい運動は体への負担も大きいので、軽く体を動かすくらいのレクをみんなでやるとわいわい楽しめていいでしょう。
高齢者にレクリエーションを楽しんでもらうために大切なポイント
デイサービスでのレクリエーションは、ただ催せばいいだろうというものではありません。
参加する高齢者が全員で楽しんでもらうためには様々は方面での心遣いが重要になります。
高齢者が楽しんでもらうためにどのような点に気を付ければいいのか?
各ポイントを紹介します。
【個人個人の好みや個性を把握する】
一口に「高齢者」と言っても、その中には様々な人間性を持った方が集まっているのは当然のこと。
歌ったり踊ったりと身体を動かすことが好きな方だったり、黙々と物作りをすることが好きな方もいます。
集団で活動することが好きな方、個人で行動することが好きな方と人間性は十人十色です。
「高齢者」「利用者」とひとくくりにせずに、一人ひとりと向きかって理解し、それぞれが楽しく参加できるようにレクリエーションの内容を偏らせないように配慮する必要があります。
【対戦式のゲームはルールをシンプルに】
対戦式のゲームは、なるべくルールを緩やかに設定しましょう。
レクリエーションの目的は勝敗を決めることではなく、本人たちに楽しんでもらうこと。
勝ち負けにこだわったり、難しいルールやペナルティが設けられてはやる気も失せてしまいます。
対戦式のゲームではルールは単純明快・シンプルにして、勝っても負けても「楽しかった!」と言ってもらえることを目指しましょう。
【団体戦をメインに】
1対1の個人戦は、負けた人のプライドを気付つけ、その後トラブルに発展してしまう可能性もあるので、出来るだけ避けた方がいいです。
対戦型のレクリエーションをやる際は、団体・チーム戦で楽しんでもらいましょう。
勝った喜びも負けた悔しさも共有・シェアすることで、利用者同士のコミュニケーションの発展にも貢献できます。
レクリエーションを楽しんでもらうには様々なポイントに配慮しなくてはいけませんが、
基本的には「敬意をはらう」「安全を考慮する」「本人の意思を尊重する」などが大前提です。
利用者が楽しくレクリエーションに参加して心と体の健康を保つためにも、私たち一人一人が心がけていきたいですね^^